こんにちはー。
今回は、「空腹のときに買い物をするのはおすすめできない理由」について、心理学の視点からご紹介します。
空腹で買い物をするとどうなる?
「ちょっとスーパーに寄ろう」と思ったそのタイミング、お腹は空いていませんか?
実は、空腹のまま買い物に行くと、ついつい余計なものまで買ってしまうという現象が、複数の研究で報告されています。
しかも驚くべきことに、それは食べ物だけの話ではありません。
空腹は、食べ物以外の欲求――つまり“物欲”も高めてしまうことがあるのです。
心理学の研究が明かす「空腹と物欲」の関係
この現象について詳しく調べたのが、
アメリカ・ミネソタ大学の心理学者アルノ・カネル(Aner Tal)とブライアン・ワンシンク(Brian Wansink)による研究です。
彼らは2015年に、学術誌《Proceedings of the National Academy of Sciences》において、
次のような研究結果を発表しました。
- 空腹状態にある人は、食べ物だけでなく食べ物と関係のない製品(例:ノート、靴、道具など)に対してもより多くお金を使おうとする傾向がある。
- これは、空腹が生理的な“渇望”を引き起こし、その感情が他の領域の購買行動にも影響を及ぼしてしまうからではないか、と考えられています (Tal & Wansink, 2015)。
つまり、「お腹が空いている=とにかく何かを得たい」という状態になり、
判断力が鈍り、衝動買いが増えてしまうという可能性が示唆されます。
Tal, A., & Wansink, B. (2015). Hunger increases the acquisition of nonfood objects. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(9), 2688–2692. https://doi.org/10.1073/pnas.1417712112
どうすれば防げる?
この現象に対して、私たちができる対策はシンプルです。
- 買い物は空腹時を避ける
- お腹がすいているときは判断力が鈍るため、できるだけ食後や、
間食後など、空腹が落ち着いたタイミングで買い物に行くようにしましょう。
- お腹がすいているときは判断力が鈍るため、できるだけ食後や、
- 事前に買い物リストを用意する
- 目的を明確にしておくことで、衝動買いを防ぎやすくなります。
- ネットスーパーや宅配の活用
- 対面での誘惑が少なく、落ち着いて購入できる環境をつくることも有効です。
おわりに:感情に流されない、賢い買い物を
買い物は、生活に欠かせない行動ですが、ちょっとした心と体の状態が大きく影響を与えることがあります。
「なんでこれ買っちゃったんだろう…」という後悔を防ぐためにも、空腹のタイミングでの買い物は避けるという意識をもってみるのはいかがでしょうか?
少しの工夫で、ムダな出費を減らすことができ、家計にも心にも、やさしい暮らしが実現できるかもしれません。